【アマ囲碁初段VS将棋初段、どっちが難しい?】

「囲碁と将棋のアマ初段はどっちが難しい?」という議論をネット上でときどき見かける。ネット上では「将棋初段>囲碁初段」という意見が多そうに見える(*1)。人によって適性が違うし、それぞれのアマ初段の定義も案外テキトーなので、結論がでない話だと思う。

なお、「将棋初段>囲碁初段」と言う人が挙げる「県代表クラスで比較すると囲碁はアマ六段、将棋はアマ四段なので、将棋の方が二段分厳しい」という主張は根拠にならない。たしかに、アマ四段同士なら将棋の方が難しいと思うが、将棋の方が一段ごとの差が大きいので(*2)、その議論でアマ初段同士を比べるのは無理がある。

囲碁や将棋への相性は人によって違うので単純な比較はできない。ただ、個人的な経験から言うと、一般的な碁会所や将棋道場で初段を名乗れるレベルになるための難易度はあまり変わらないと思っている。自分の場合は、囲碁は中学~高校、大学の囲碁部での活動で上達し、将棋は高校で同級生(将棋部員)に休み時間に教わって上達した。費やした時間は大雑把には見積もれ、初段になるまでに費やした時間に大きな差はなかったと感じている。

現在は、【囲碁】野狐六段(一般的な碁会所で七段くらい?)、【将棋】将棋ウォーズ10分切負け初段(一般的な将棋道場で初段くらい?)なので、そこまでの努力量比較は以下のような感じ(*3)。(自分の到達段位までは自分の経験から見積もった値を実線で示し、それ以上の段位は推測値として破線で示した。実線の部分は自分なりの根拠があるが、破線部分はかなり推測が入っている。)

とはいえ、日本棋院の初段認定が甘いのは確かで、その点は少し残念(*4)。個人的にはもう少しきつめでもいいと思っている。

(*1)「将棋初段>囲碁初段」とか「将棋初段≒囲碁三段」という主張は、囲碁経験がない将棋愛好者の恣意的な議論と感じている(地元や近隣の市の囲碁の会と将棋の会の参加者はほとんど重複していないので、両方有段者という人は少なそう)。ただ、「将棋初段≒囲碁三段」という主張については、上の図で示したように「強い将棋初段≒弱い囲碁三段」ということなら理解できる。
(*2)囲碁と将棋の段級位の基準の一つに以下のものがある。この通りなら将棋の方が一段差の差異が大きいことになる。また、囲碁と将棋の段級位の到達難易度もどこかで逆転していることになる。個人的には「囲碁3級>将棋3級」「将棋三段>囲碁三段」で、1級~初段辺りで逆転していると思う。
【囲碁】初心者⇒30級、県代表⇒六段
【将棋】初心者⇒10級、県代表⇒四段
(*3)それぞれの練習量は以下のような感じで概算。
【囲碁】中学~高校、大学の囲碁部での活動+家での勉強(手筋、定石)。
【将棋】高校の休み時間での練習+家での勉強(詰将棋、定跡)。
(*4)囲碁(日本棋院)、将棋(日本将棋連盟)の初段の認定基準は以下の通り。
【囲碁】初段認定希望者同士の対戦で2勝2敗すれば初段認定。
【将棋】1級で8連勝or13勝2敗すれば初段へ昇級。初来場の認定時も指し分けた段級位の1段位下で認定される印象。(例) 対2級○⇒対1級○⇒対初段○⇒対二段×⇒対初段×で1級認定。

その他【番外編】 アマチュア囲碁界、将棋界における段級位の役割の微妙な違い

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